心房細動

100万人を超す患者数? 脳梗塞の重大なリスクです

心房細動比較

出典:心房細動週間ウェブサイトより

患者数が多く、脳梗塞と心不全という重大なリスクを抱えた、適切な治療が必要な不整脈疾患、それが心房細動です。疾患の理解がとても大切です。

その名の通り、心房が細かく動く病気です。細かく動くといっても実際は痙攣しているような状態であり、心房が収縮していません。そのため、心房の中で血液の流れが滞り、血栓という血液の塊が形成されやすくなっています。

脳梗塞リスク

出典:心房細動週間ウェブサイトより

血栓が流れてしまい、脳血管で閉塞すると重篤な脳梗塞をきたしてしまいます。そのため、抗凝固療法という血栓を作りにくくする治療を行います。

また、個人差はありますが、心拍数が一般的には速く不規則になるため、動悸、息切れなどの症状が出現しやすくなります。放置しておくと心筋が疲労し心不全をきたしてしまうことが多くなります。そのため、心臓のリズムや脈拍数をコントロールする治療も行います。


心房細動患者数は、検診で診断される患者数だけでも約80万人と推計されており、実際には100万人を超すものと思われます。高齢者に多く、今後人口の高齢化に伴ってさらに増加すると予想されており、適切な対策が益々重要となります。

心房細動は健康な方でも発生します。年齢が上がるにつれて発生率が高くなり、また、高血圧、糖尿病、心筋梗塞・弁膜症などの心臓病や慢性の肺疾患のある方は発生しやすくなります。アルコールやカフェインの過剰摂取、睡眠不足、精神的ストレス時に発生しやすくなる方もいます。

抗凝固薬とは


心房細動患者が適切な抗凝固療法(血液を固まりにくくする治療)を受けると、6割以上の脳梗塞を予防できることがわかっており、その普及が望まれます。

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